BlenderとUnityで作ったものをVR(Meta Quest/Oculus Link)で動かします

ブログの女の子を作る #22 ボーン入れとウェイト設定2【Blender,Unity】

 
前回の記事では、「ボーン入れとウェイト設定」をやってみました。
 
とりあえず設定した後、Unityにインポートしてみましたが、3Dモデルを動かすとワイシャツや眉毛が変なところに移動してしまいました。。。じっくりと修正した方が良さそうです。
 
今回も引き続き「ボーン入れとウェイト設定」をやっていきます。今回も調整作業です。長い。。。



(1) 頭を調整する

まずは「」の調整です。
 
ですがその前に、やっておくことがありました。
 

テクスチャでスパッツを作る

体のボーンやウェイト調整する時、服や下着があると邪魔です。
ウェイト状態が見えない。。。
 
取ってしまうと画像的にやや問題がありそうですので、とりあえずテクスチャで服を着せることにします。
 
最初はこんな感じで、体のテクスチャに直接色を塗ってました。
ですが、実際にテクスチャを設定してみると、線がガタガタでかなりダサい。
 
線をまっすぐにするため、「スパッツ色のマテリアル」をメッシュの面に割り当ててみました。
 
これならメッシュ単位なので、基本的にまっすぐです。
これでいきましょう。
 

余分なウェイトを簡単に消したい

」の調整でしたね。
 
ボーンとウェイトを調整しているうちに、なぜか髪の毛がおかしくなってしまいました。
微妙にズレて付いていく感じです。
 
編集モードで「頂点ウェイト」を確認してみると、原因が分かりました。
Headボーンのウェイトが少なすぎる!
・Head:0.067
・Shoulder_L:0.096
・UpperArm_L:0.616
・LowerArm_L:0.221
 
Headボーン」以外から、かなり余計な影響を受けてるようですね。
 
 
ウェイトを0にして塗るのは面倒なので、ネットで調べて見ると、「オブジェクトの頂点グループの一覧」から、必要無い頂点グループを削除すると良いことが分かりました。
 
今回は、「髪の毛オブジェクト」の頂点グループで、Head以外を消してみました。
 
一つ一つ消すのは面倒なので、
1. 頂点グループ「Head」をロックする(開いた鍵アイコンをクリック)
2. 「頂点グループ一覧」の右側にある「下向き三角アイコン」をクリックし、「全アンロックグループを削除」を選択する
が楽でした。
 
Head以外のウェイトが無くなりましたね。
 
髪の毛がズレなくなりました!
完全にウェイトを削除したい時、この方法は簡単・確実です。
 
この記事がとても参考になりました!
 

まつ毛のウェイトをポーズ中に塗る

次はまつ毛です。
 
頂点ウェイトを確認してみると、Headの他に「UpperArm_L」のウェイトがのってました。
まつ毛は「体のオブジェクト」の一部ですので、先ほどの方法では調整しにくい。
 
そこで、ポーズモードで動かした状態で、オブジェクトをクリックし、ウェイトペイントモードに切り替えます。
 
 
この記事に手順が書いてありました。
便利ですね。
 
飛び出したまつ毛を「ウェイト1.000」で塗ると、本来の場所に戻っていきました。
動きが面白い。
 
これでまつ毛も大丈夫。
 

(2) 下半身を調整する

次は「下半身」の調整です。
 
ネットでいろいろ調べて見ましたが、良い方法が見つからず苦労しました。
 

股関節のボーン

いまのボーンです。
 
動かしてみると、かなりおかしな感じになりました。
股の形が崩れてしまってます。
 
とりあえず、動いて欲しくない部分を「ウェイト0.000」で塗ってみます。
 
こんな感じでしょうか。
 
これで動かしてみると、先ほどよりはマシ?な感じです。
 
後ろからも大丈夫そうです。
 

曲げすぎると固さがある

大丈夫かと思いましたが、もう少し足を開いてみると、違和感が出てきました。
なんか固い感じ。
 
ウェイトの塗り方が良くなかったようで、お尻の形も変形してます。
もっとグラデーションっぽく塗れば良いのかも知れませんが、調整のたびにキレイにウェイトを塗るのは大変すぎます。。。
 
まずはこの状態で進みましょう。
 

足のボーン

足の曲げ具体は、自然な感じになってました。
 
更に良くするため、ネット記事で見つけた「軸をずらす」をやってみました。
 
 
この角度ではあまり差は分かりませんね。
けど、この状態にしておきます。何か良い効果があるかも知れませんので。
 


(3) ボーンを追加

今後、必要になりそうなボーンを追加しておきます。
 

スカートにボーンを入れる

Magica Cloth(マギカクロス)」で使いそうな気がしますので、スカートに入れておきます。
 
プリーツの線に沿って入れる感じでしょうか。
 
地道に面倒。
 
なんとかボーンが入りました。
RPGの防具で出てきそうな「鎖かたびらのスカート」ができました。強そう。
 

髪の毛にボーンを入れる

髪の毛にも入れておきましょう。
 
どう動くか分かりませんので、横髪とツインテールだけ。
 
現在のボーン状態です。
ところどころ、ボーン位置の微調整もしてます。これで改善してくれると良いんですけどね。
 

ボーンが増えたので余計なウェイトも消しておく

頭を動かしてみると、スカートの吊り紐が動くようになってしまいました。
髪の毛のボーンが増えたからですね。
 
余計なウェイトを消しておきましょう。
大丈夫そうです。ボーンを増やした時は、その近辺の動作確認をするのが大事ですね。
 

(4) 服を調整する

最後の調整は「」です。
 
重ね着の場合、「体→ブラ→ワイシャツ」という3階層になります。これの調整は非常に難しい。。。
 

ウェイト転送してみる

下着など、「体の表面から近く、メッシュ構造がほぼ同じ」場合、体のウェイトを転送してあげると良いらしい。
  
 
「体のオブジェクト → ブラのオブジェクト」の順で選択したあと、「ウェイトペイント」モードに切り替えます。
 
ウェイト – ウェイト転送」を選択します。
 
これで転送できたはずなんですが、結果はあまり変わらず。
メッシュ構造が違うからでしょうか。。。
 

ワイシャツのはみ出しがヒドイ

ブラもそうですが、ワイシャツのはみ出しはもっとヒドイ。
 
体をねじったとき、ワイシャツの内側から何かが盛り上がってます。
 
モードを変えると分かりやすいですね。
 
ブラと同様、ウェイト転送してみますが、効果は無し。
 
はみ出します。
 


(5) 再びUnityで確認してみる

まだ調整途中ですが、現状でどこまで改善したか確認しておきます。
 

FBXファイルをインポートする

UnityにFBXファイルをインポートして、見やすいようにシェーダーを変えておきます。
 
 
左後ろモデルには「Unityちゃんシェーダ」を使ってみました。
かなり見た目が変わりますね。できれば、右後ろの「アリシア・ソリッド」のようなシェーダーにしてみたい。
 

動かしてみる

Unity上で動かしてみると、前回よりはマシになりました!
以前はワイシャツが首の周りに集まってしまい、マフラーみたいになったましたが、今回はなんとか服の形を保ってます。
 
更に動かしてみます。
まだはみ出しがスゴイですね。あと、なんか肩がいかつい。。。
 
UnityとBlender、同じポーズで比較してみると、Blenderで表示した通りにはみ出すことが分かりました。
ですよね。。。
 
やはりBlender上で、はみ出さないよう調整する必要があります。
 

(6) Blenderで修正する

そしてまたBlenderで修正していきます。
 
かなり重ね着の厳しさを実感してきました。
 

肩のボーンを調整する

Unityで見た時、とても肩がいかつかったので、肩のボーン位置を首から離した後、下に移動してみます。
 
この辺りは試行錯誤するしかありません。
 
更に、外側のボーン位置も調整します。
 
とりあえずこの辺りで。
関節の位置は難しい。
 

ウェイト塗るのが面倒!

まだはみ出します。。。
 
やはりウェイトが多めにのってますね。
 
ウェイトペイントで「ウェイト0.000」で塗ってみます。
 
これではみ出さなくなりましたが、もうウェイトペイント塗りが面倒になりました。
 
塗るのは必要最低限にしたい。
 

補助ボーン!

何かないかとネットで調べて見ると、「補助ボーン」というステキワードを見つけました。
 
「関節部分とは関係なく、適切な位置に入れることで、最初からウェイトがのった状態にできる」らしい。それが補助ボーン。
 
いつもはみ出してた部分に補助ボーンを入れてみました。
自動ウェイトをつけてみて、ウェイトペイントモードで確認してみると、良い感じにウェイトがのってました。
 
この状態で腕を下げてみると、今度ははみ出さない!!
ありがとう補助ボーン!
 
腕を上げるとふくらみますが。。。
これは別の原因がありました。
 

ワイシャツの裏面を消す

薄々気づいてましたが、変なワイシャツの盛り上がりは「ワイシャツの裏面」ですね。
 
ワイシャツをモデリングした際、リアルさを出すために「ソリッド化」モディファイアーで厚みを出していました。厚みが出るということは、メッシュが1面増えるということ。その面が悪さをしていたようです。
 
もう消しましょう。
 
消す作業を分かりやすくするため、ワイシャツ表面を黒く塗りました。
 
半分を非表示にしてから、
 
裏面のメッシュを削除していきます。
頂点数も減るので、描画負荷が下がる効果もありそう。
 

良い感じになりました!

再度、「自動のウェイトで」を実行します。
先ほどの補助ボーンのおかげで、手動でのペイント塗りが無いのはとても楽。
 
腕を上げて見ても、脇部分は盛り上がりません!
良かった。
 

補助ボーンは入れれば良いワケでは無い

まだ肩部分がはみ出てるので、更に補助ボーンを入れてみました。
 
この辺りに。
 
残念ながら、まったく効果が無いどころか、ワイシャツが割れてしまいました。
極端な可動部分には入れない方が良さそうですね。この補助ボーンは消しておきましょう。
 


(7) はみ出す体のメッシュを消す

あとは「体のメッシュ」のはみ出しです。
 
動画でも説明してましたが、やはり「体のメッシュを削除する」しか無さそうですね。
 
外から見えない部分とはいえ、気持ち的にはなんとかオブジェクトがある状態にしておきたかったんですが、ここまで重ね着が難しいとなると、そうも言っていられません。ばっさりと消してしまいましょう。残念ですが。
 
とはいえ今後、別の服を作ったり、下着や水着を着せた状態になることもあるかと思いますので、「体のオブジェクトのバックアップ」はとっておきます。服の種類によって、体のオブジェクトを差し替えるのもアリかも知れません。
 

体のメッシュを削除する

袖口や胸元から見えるメッシュだけを残し、その他の部分を削除していきます。
 
かなり消えました。
 
ワイシャツを着せてみても違和感はありません。
元々見えてなかった部分ですので当たり前ですが。。。
 

はみ出さない!!

この状態で、体を動かしてみます。
 
はみ出さない!
 
はみ出すものが無いのは素晴らしい。
これで、体のはみ出し問題は解決です。
 

ボタンを調整する

体をグリグリ動かしていると、ボタンが微妙にズレてることに気づきました。
 
またネットで調べて見ると、ボタンを別オブジェクトにして、「ワイシャツの頂点」と親子関係にすると良いらしい。
 
3点の頂点を選択して、「頂点ペアレント作成」を実行します。
 
親子関係なだけあって、完全に追随してますね。
先人の知識はスゴイです。
 

吊り紐を調整する

あとは、吊り紐の調整です。
 
背中を反ったとき、吊り紐がめり込んでます。
 
こんな時は、ポーズモードで移動した状態で「頂点を修正」するのが良いらしい。
 
この記事を参考にさせて頂きました。
 
記事にも書いてありますが、動かした状態で修正し過ぎると、元に戻した時におかしくなるので注意です。
 
良い感じになりました。
 
前部分も修正しておきましょう。
 
すべてのポーズに対応するのは難しいですが、ある程度はめり込むを防ぐことができました。
 
今回でかなり修正した気がしますよ。
 

まとめ 

今回も、ボーン入れとウェイト設定をやってみました。
 
補助ボーンを入れる」と「余分なメッシュを消す」はかなり効果がありました。重ね着が難しいとは聞いてましたが、ここまで難しいものとは思いませんでした。。。
 
けど少しずつですが、改善してる実感はあります。
 
次も「ボーン入れとウェイト設定」をします。次でなんとかなりそうです。
 
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