BlenderとUnityで作ったものをVR(Meta Quest/Oculus Link)で動かします

ブログの女の子を作る #115 Magica Cloth 2の相互衝突機能で3枚重ねを試す(ロングスカート、パニエ、エプロン)【Blender,Unity】

 
前回の記事では、パニエのスカートを Magica Cloth 2 の Self Collision機能 で動かしました。
 
今回は、ロングスカート・パニエ・エプロンの3枚重ねを試してみます。
 
オブジェクトの形状や Magica Cloth 2 のパラメータ変更など、試行錯誤の結果、良い感じに動かすことができました!



開発環境

・Blender 3.0.0
・Unity 2021.3.19f1(HDRP 12.1.10)
・CPU:AMD Ryzen 7 3700X
・グラボ:ASUS ROG-STRIX-RTX2060S-O8G-GAMING
 

(1) 3枚重ねのスカートを作る

エプロンがある服と言えば、やはりメイド服ですね。
これを使って3枚重ねを試していきましょう。
 

ロングスカートのメイド服を流用する

ロングスカートのメイド服は以前に作成してました。
 
ですが、この時はまだ Self Collision機能 が使えなかったので、
・エプロンとスカートの距離を近くすることで貫通を防止
・スカートの裾に直接フリルを付ける
で対応してました。
オブジェクトが1つなので、どうしても複数枚の布がひらひらする感じは出せませんでした。
 

オブジェクトを分離してスカートを作る

今回はスカート・エプロン・パニエを別々のオブジェクトとして作ります!
 
まずは、スカートから裾のフリルを削除します。
 
スカートはもう少し長くしておきましょうか。
 
次に、スカート表面の一部を選択して、エプロン用オブジェクトとして分離しておきます。
 
メッシュが重なると良くありませんので、スカートとエプロンは少し離しておきます。
 
こんな感じになりました。
 

パニエを作る

次はパニエです。
 
前回の記事と同じく、フリルのスカートを流用します。
 
スカートに合わせて、パニエの長さを調整します。
 
スカートから見えるフリルが良いですね。
 


(2) Magica Cloth 2 のセットアップと調整

先ほど作成したスカート・エプロン・パニエに Magica Cloth 2 をセットアップしていきます。
 

設定と調整を繰り返す

Magica Cloth 2 のコンポーネントを追加して、各オブジェクトを設定していきます。
 
動かして見ると、結構貫通しますね。。。
 
今回は、ブレイクダンス+バレエというかなり激しいモーションを使うこともあって、なかなか調整が難しい。
 
踊って立ち上がると、エプロンがめり込んでしまいます。
少し工夫が必要なようですね。
 
Blender側で長さを調整したり、Unity側で Magica Cloth 2 のパラメータを調整したりを繰り返したりして、イメージの動きに近づくよう設定していきます。
 
できたっぽい?
 

最終的に設定したパラメータです

なんとか調整できました!
 
参考までに今回の設定値を載せておきますが、オブジェクトの形状やモーションにもよると思いますので、それぞれの環境に応じたパラメータを見つけるのが良さそうです。
 
(1) エプロン
・Radiusは大きめ、Frictionはゼロ、Cloth Massは最小
 
(2) スカート
・エプロンとパニエの中間くらいの設定値
 
(3) パニエ
・Gravity、Radiusは最小、Cloth Massは最大
 
正直なところ、この設定が正しいかは分かりませんが、なんとか貫通せずに動いてくれてます。
 
・Gravity
・Collider Collision -> Radius, Friction
・Self Collision -> Cloth Mass
あたりを調整した感じですね。
 

バックストップ機能がスゴイ!

今回の作業で、髪の毛も Magica Cloth 2 に切り替えたのですが、前髪や横髪に使った バックストップ機能 がスゴイです!
 
しかも設定も簡単でした。
 
頭の中心部分に空オブジェクトを作成後、「Normal Alignment -> Transform」で登録しておき、Radius や Distance、Stiffness を設定するだけです。
 
これで、髪の毛が体にめり込むのを防ぐことができます。
マジでスゴイ!!!
 
コライダーを使わなくてよいのもうれしいですね。
 

動画で確認する

動画で確認しておきましょう。
 
素晴らしい!!!
 

まとめ 

Magica Cloth 2 の Self Collision機能 を使って、ロングスカート・パニエ・エプロンの3枚重ねを試してみました。
 
調整に時間がかかりましたが、ほとんど貫通することなく良い感じに動かすことができましたよ。
3枚重ねは、メイド服をモデリングした時からの夢でしたので本当にうれしいです!
 
Magica Cloth 2 のロードマップには「現在のセルフコリジョンはベータ版でまだ洗練されておらず精度が高くありません」とあるんですが、いまの段階でこれだけ動かせるのは本当にスゴイですね。
今後のバージョンアップが楽しみです!
 
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IT関係のお仕事してます。
3Dモデルの女の子は「ブログノ・スージー」。VRは楽しいですね。

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