BlenderとUnityで作ったものをVR(Meta Quest/Oculus Link)で動かします

ブログの女の子を作る #100 Very Animationでモーションを作って踊ってみた!Liella!の「始まりは君の空」のMVを参考にしました【Blender,Unity】

 
前回はフリル服のリボン・ヘアピン・ポシェットを作りました。これでフリル服関係がすべて完成です!
 
これまでの記事ではシェイプキーで表情を作り、関節周りと手指を直してきました。それらと今回のフリル服の動作確認を兼ねて、モーションを作って少し躍らせてみました!
 
せっかく作るなら楽しく作った方が良いですので、ラブライブのMVですごく好きな振り付けをモーション化させていただきました。


開発環境

・Blender 3.0.0
・Unity 2021.2.12f1
・CPU:AMD Ryzen 7 3700X
・グラボ:ASUS ROG-STRIX-RTX2060S-O8G-GAMING
 

(1) 「始まりは君の空」のMVの一部です

今回作成したモーションは、「ラブライブ!スーパースター!!」の Liella! のデビューシングル、「始まりは君の空」に同梱されているアニメーションMVを参考にさせていただきました。
このMVはすごく好きで何回も観てます。
 
その中でも一番好きな部分、2回目のサビの「始まれば君の空~」の振り付けをモーション化させていただきました。MVでは4分15秒あたり。12秒間のモーションになります。
残念ながら試聴動画では流れない個所なんですが、他の部分も素晴らしいですので、ぜひフル版のMVを見ていただければと思います!
 


(2) Very Animationを使いました

調べてみると、モーションを作るにはいろんな方法がありました。
 

最初は「Cascadeur」を使ってました

最初、物理的な挙動を使って3Dアニメーションが作れる「Cascadeur」を使っていました。
 
これは一番最初のジャンプのところですね。
 
Cascadeurには、IKやミラー反転など一通りの機能があり、ジャンプする時なども物理挙動が使えて便利そうなんですが、
・ハンドポーズで使えるのが5本でなく3本だけっぽい
・Blenderで作ったシェイプキー(表情など)は別の方法で組み込む必要あり
・Unityで取り込んだ時にモーションがずれる?
ということがあったので、今回は使用しないことにしました。
 
Unityでは腕が交差してしまってますね。。。
Cascadeurの機能で「FBXファイル取り込み」や「ボーン設定」などがあるので、それらを使うと良いような気はしました。別のモーション作成時には使ってみたいと思います。
 

いつもの「Very Animation」で作りました

というワケで、今回はUnityのアニメーション作成アセット「Very Animation」を使います。
 
お試しでCascadeurで3秒分ほど作ってましたので、余分なキーフレームを削除して作業再開です。
 

(3) MVの画像を見てモーション化していく

ツールも決まりましたので、本格的にモーションを作っていきます。
 

モーション作りは難しい…

モーションを作る前は「参考画像があるからそこまで時間はかからないのでは」と思ってましたが甘すぎました。。。
 
見たままのポーズを取らせるだけでも大変なのに、MVでは見えない部分(横から見た角度など)はある程度想像で作る必要があります。
 
しかも、一コマ一コマを見ると良い感じでも、再生して動かして見るとなんかぎこちなく、ロボットみいになってしまったり。
 

アニメーター向けの記事を調べる

少し勉強した方が良いとネットを探したところ、良い記事がありました。
 
「わかすぎ(@ryowaks)」様の「これだけで完璧! 歩きのアニメーションの基礎」です。
この記事を見てからMVを見てみると、キャラクターの重心移動や体のひねりに気づくことができました。他にも「アニメーター向けすぐに使えるメモまとめ」カテゴリにはたくさんの記事があり、とても参考になりました!
 
モーションは奥が深いですね。。。
 


(4) Very Animation のメモ

モーション作成時のメモです。
 
公式ヘルプは以下にありますよ。
 

1. 通常モードとIKモードを使い分ける

ざっくりしたポーズをIKモードで作り、通常モードで細かな調整をしました。
両手両足と頭を個別にIKで動かすことができるのが便利ですね。
 
まれにですが、通常モードからIKモードに変更したあとで手足を少し動かすと、手足の位置が変わってしまうことがありました。関節の角度などの都合で、そうなってしまうんですかね。若干注意が必要でした。
 

2. 二つのMirror機能を使う

一つ目は「動かす時のミラー機能」です。
例えば、右手を動かすと、同時に左手も動いてくれます。
 
もう一つは「今の全身のポーズをミラー反転する機能」です。反転したものを別フレームで再利用する時に便利ですね。
今回のMVでは、左右に動きながらほぼ同じモーションする箇所があったので、大変助かりました。
 

3. SaveとLoadが便利

いまのポーズを一時的に保存して、別のキーフレームにコピーできます。
先ほどの「ミラー機能」とセットで良く使います。
 

4. 一部だけコピーできる

先ほどのSave/Loadは全体でしたが、ボーンの関節を選択することで、一部分だけを別のキーフレームにコピーできます。
 
便利なのですが、コピー(CTRL+Cキー)とペースト(CTRL+Vキー)を押すタイミングと押す場所(Very Animationの画面内でどこにフォーカスが当たっているか)により、うまくペーストできないことがあったりします。操作方法を間違えてるだけな気がしますが。。
 

5. ハンドポーズを細かく設定できる

かなり細かく手の動きを制御できます。
 
作ったハンドポーズは設定ファイルにセーブできて、あとから呼び出せるのも便利ですね。
 

6. シェイプキーで表情を設定する

表情が付くと、人間味が出てきますね。
「あいうえおとウィンク」だけでも結構頑張れました。
 

7. 全身移動は◎を選択する

体全体を移動させたい場合は「◎」を選択します。
IKを選択してると、その部分は動かないので要注意です。
 

8. 定期的に「CurvesでAuto」する

キーフレームを増やしてフレームを作ったあと、動作確認でなんかカクカクしてる時があります。
そんな時は、画面左下の「Dopesheet」を「Curves」に切り替えたあと、CTRL+Aですべての点を選択し、右クリックメニューの「Auto」を選択しておきましょう。デフォルトで「Autoにチェックが入る」のでカーブが滑らかになるんですが、まれに付かない場合がありましたので。。。
定期的に「Auto」しておくと安心です。
 

9. 位置の目安があると便利

作業中盤で気づいたのですが、足元に「作業用の目安」の線があると便利ですね。
 
作業後半では部屋のアセット内に移動しましたので、カーペットの柄を位置の基準にしてました。
 

10. Foot IKは最後で良い

Foot IK機能を使うと、足と地面が良い感じに接地するようになります。
 
私のイメージでは、この機能は「ポーズを一通り作った後で、更に足を地面に付きやすくする機能」と思ってますので、一通りモーションを作ってから以下の手順で「Foot IKをオン」にしました。
 
最初の状態です。
まだ「Foot IK」はオフです。
 
「Foot IK」をオンにすると、足がとても変な方向に曲がってしまいました。。。紫の線が「Foot IK」で計算されたボーンの位置ですね。
Very Animationの公式動画にもありますが、これは正しい挙動です。「Foot IK」用のデータが無いのが原因です。
 
Very Animation -> Tools -> Humanoid IK」で「Foot IK」にチェックを入れて、「Generate」ボタンをクリックすると「Foot IK」用のデータが作られて、足が正しい位置になります。
同時に、キーフレームの部分に大量のキーが増えたことが分かります。
 
これだけ見ると「キーフレームが増えたら困る!!!」と思ってしまうところですが、「Clear」ボタンを押すと「Foot IKで増えたキーフレーム」が消えてくれます。
ですので、「Foot IKを使う時にGenerateでデータ作って、またモーション修正する時はClearで消す」が良さそうです。
 
あとは、Animator側の設定で「Foot IK」にチェックを入れるのを忘れないように。
 

(5) モーションができた!

これで「始まりは君の空」のMVから10秒のモーションができました!
なんとなくの雰囲気は再現できたと思います。
 


まとめ 

「ラブライブ!スーパースター!!」の Liella! のデビューシングル「始まりは君の空」から、とても好きな振り付けをモーション化させていただきました。
 
今回の作業でこのMVを100回以上は観たと思いますが、見れば見るほど新たな発見がありますね。どの振り付けも Liella! のかわいさが出ていて良いと思います!
 
モーションを作るのは楽しいですね。
 
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